「リーズ・ユナイテッド」というクラブをご存知でしょうか?
2019-20シーズン、イングランド:チャンピオンシップ=2部リーグで優勝、プレミア=1部リーグ昇格を果たしたクラブです。
2003-04年シーズン以来、17年ぶりのプレミア復帰を果たした同クラブ、実はここまでの道のりは「いばらの道」ともいえるほど過酷なものでした。
一体、何があって、どのようにして、現在の位置にたどり着いたのか、紹介していきます。
1919年創設
リーズ・ユナイテッドは、1904年に創設された「リーズ・シティ」がチームの不正疑惑でリーグから抹消されることになり、それを引き継ぐ形で1919年創設されました。
まだプレミアリーグが「ディビジョン1」という名称だった時代の1973-74、1991-92シーズンにリーグ優勝、1967-68シーズンにはカップ戦2冠を達成、強豪として認められるクラブでした。
金満補強のツケ
2000-01シーズンのUEFAチャンピオンズリーグではベスト4進出を果たすなど、大躍進を遂げます。
しかし、この時の補強に費やした費用が、以後、重くのしかかります。
2000年に移籍金1,800万ポンドで獲得したリオ・ファーディナンドを、2002年に3,000万ポンドでマンチェスターユナイテッドに放出するなど、主力を次々放出します。
これが著しい戦力低下を招き、2003-04シーズンにチャンピオンシップリーグ降格しました。
破産申請→3部降格
リーズの凋落はここで終わりません。
2005年からリーズを買収し会長に就任したケン・ベイツら経営陣は、負債の減額に努めますが、全くと言っていいほど歯止めがかからず、2007年には破産申請を余儀なくされます。
破産申請によってリーグ戦の勝ち点を剝奪され、3部リーグ降格が決定してしまうのです。
その後も慢性的な財政難が改善されず、選手への給料すら払えない時期もありました。
2012年からはドバイのGFHキャピタルが買収し、立て直しを図りますが、それまで会長を務めたケン・ベイツが理事長としてクラブに留まったことが、これまで支えてきたサポーターの反感を買ってしまうのです。
それまで約40,000人収容できるホームスタジアム:エランド・ロードには、降格してもなお、平均26,000人の熱心なサポーターが駆けつけ声援を送っていました。
しかし、ケン・ベイツ留任によりスタジアムに来るサポーターの数が激減したのです。
選手放出を余儀なくされ、サポーターからも見放される惨状。
危機感を抱いたGFHキャピタルはケン・ベイツを強制退任させ、SNSを駆使したサポーターとの交流を積極的に行い、徐々に立て直しに向かいます。
財政的な立て直しは2014年、イタリア人のマッシモ・チェリーノがクラブ買収に乗り出したことから始まり、徐々に戦力の再整備が進みます。
2018年夏には、奇才といわれるマルセロ・ビエルサが監督に就任。
それまでチャンピオンシップリーグで昇格争いに絡めなかったチームが、2018-19シーズン3位に躍進、就任2年目2019-20シーズンに優勝し、プレミア復帰を果たしたのです。
プレミア昇格後
2020-21シーズンは開幕戦で、敗れはしたもののリヴァプールと互角に打ち合いました。
31節には首位マンチェスターシティを相手に、前半からリーズに退場者が出た状況にも関わらず2-1で金星を挙げるなど、20チーム中10位と健闘しています。
財政難による破産申請から、3部リーグ降格というどん底を味わったリーズ・ユナイテッド。
再び輝きを取り戻そうとしている「北英の古豪」に注目です。